騙された時計台
細田 悦子
(本文は2025年11月に寄稿されたものを掲載しています)
エジプトに行って来た話です。
エジプトと言えば、ピラミッドや神殿ですが、カイロにあるムハンマド・アリ・モスクも世界遺産。何が、世界遺産レベルなのか、行くまで見当もつきませんでした。
このムハンマド・アリという人物が、1801年にエジプトに赴任。当時、オスマン帝国の支配下にあったエジプト総督になり、エジプト近代化を導いた。
(人となりは次のリンクをご参照ください:ウィキペディア ムハンマド・アリー)
ムハンマド・アリ・モスクは、1857年に完成。イスタンブールのブルーモスク等をモデルに建築された。エジプトのアラバスタと言われる白い鉱石を内部に施していることから、アラバスタモスクとも呼ばれています。
靴を脱いで、モスクの中に入ると、眩いばかりのシャンデリアとランプがうっとりするほど美しい。普通、モスク内は殺風景なのですが、別世界に引き込まれた感じがします。
観光名所としてだけではなく、礼拝も行われているとのことです。
内部写真の2階にいくつか窓が見える筈です。この2階部分は女性専用の礼拝場所になっており、外から見えない配慮がされているそうです。
中庭には霊廟があり、その奥には時計台があります。
私は、フランスのコンコルド広場にあるオベリスクが、なんとルクソール神殿から持って行かれたオベリスクであることを初めて知りました。(参照 http://www.obelisks.org/paris_j.htm)
フランスはエジプトのオベリスクの入手を考え、この要望に応えてムハンマド・アリが尽力し、ルクソール神殿にある2本のうちの1本を贈呈したそうです。
そして、フランスは返礼として時計台を贈ったとのこと。
このいきさつには諸説色々あるようです。
しかしながら、現地ガイドの話によると、贈られた時計台は1週間も経たずにして故障して動かなくなってしまった。修理しても修理しても動くことはなく、現在にまで至り、騙された時計台と言われている。とのことでした。
それにしてもオベリスクや時計台を贈呈するにあたっての運搬作業は如何に?現在のように重機やクレーンもない時代に人海戦術のみで海を越え、運搬、設置するには想像を絶する人力、忍耐を要したことか。そして、未だ解明できないエジプトピラミッド建設の謎。
紀元前の時代に現在でも切り出しに苦慮する御影石を切り出し、精密に形を整え、積み上げる作業を成し遂げたエジプト人。古代人の知識の深さ、高度な技術力に感服しざるを得ない旅でした。宇宙人説が飛び交うのも納得できる今日この頃です。


