結婚にもいろいろとある昨今である。そんな結婚の在り方から少しばかり。
仕事がら国際結婚は身近に感じる。友人知人を数え上げ始めたらすぐに片手で足りなくなった。実際のところ婚姻総数に国際結婚はどのくらいを占めるのだろうか。日本では、2016年の総数635,156件中21,180件であった。比率にするとわずか3.3%である。国別にその比率を上位3位についてみると夫日本-妻外国の夫妻の場合、中国38.7%、フィリピン20.7%、韓国・朝鮮15.3%となる。一方、妻日本-夫外国の夫妻の場合、韓国・朝鮮25.4%、米国18.3%、中国12.1%であった。男性はアジアが8割と偏っているが、女性は4割ほどにとどまり男性よりも多様性がある。
では、ヨルダンはどうであろうか。2017年のヨルダンにおける国際結婚についてみると、アラブ諸国と非アラブ諸国に分類してから国別としてあるのが愉快である。ヨルダン人口の7割以上がパレスチナ系といわれるくらいだから男女ともにトップはさもありなんである。男女の差はどうであろうか、アラブ諸国でみると女性が中東の範囲内で収まっている一方で、男性には北アフリカのモロッコ、アルジェリアが含まれている。非アラブ諸国では、米国がトップで4位にドイツと共通している。女性では、パキスタンが3位に食い込んでいる。何か理由があるのだろうか。男性は、なぜか2位にウクライナ、3位にロシアがランクインしている。日本と比較した場合、女性が近場のアラブ圏内で大勢を占めているの対し、男性はアラブでも北アフリカまで足を延ばし、非アラブに至ってはウクライナ、ロシアが2・3位を占めて遠距離など影響ないようである。それにしても男性のこれら遠国の女性との出会いはどこでというのも気になるところである。まあロシアの場合は、チェチェンなどの女性が含まれているのかもしれません。が、ウクライナはなぞです。
ところで、このデータの出所を探したらヨルダン統計局のサイトにたどりついた。そしてデータの入手先として、”Source: Shariah & Ecclesiastical Courts”とあった。つまり、シャリーア(イスラーム法)裁判所と宗教裁判所なのである。婚姻件数を云々する前になぜ裁判所のデータなのかである。日本の場合、婚姻届を役所に届けることで婚姻関係が法的に成立し統計データに婚姻件数1件として計上される。では、ヨルダンはというとイスラーム法に基づいてイスラーム指導者による立会いの下で、また教会で婚姻の儀礼・典礼により結ばれる宗教上の婚姻となる。そして、婚姻の契約を交わしそれぞれが帰属する宗教別裁判所に届け出るのである。前者を民事婚、後者を宗教婚という。
ヨルダンでは、結婚、離婚、子どもの親権、養子縁組などについては、宗教裁判所が取り扱っているのである。なお、クリスチャンは宗派ごと(ギリシャ正教会、ローマ・カトリック教会、アルメニア・カトリック教会)の評議委員会が所管している。いずれにしても神の前で結婚の契約を交わすのだそうである。神の前でコントラクトにサインすると説明してくれた友人は、離婚は契約の破棄ねとさらり言った。
国際結婚から結婚の在り方、民事婚と宗教婚へと話しがそれてしまった。我が国も世が世なら神式か仏式で挙式後に宗門人別改帳に記載され、宗教とは切り離せないものであったろうか。