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ソロモンの話・アゲイン! 2018年 No.4

村上いづみ 保健医療専門家(ソロモン諸島)

私の任期も後1か月を残すのみとなりました。毎日宿から保健省まで徒歩、ゴムぞうり。35年の海外協力の中で初めて省庁にゴムぞうりで通勤です。省内も95%がゴムぞうりまたは、裸足なので・・・、皆机の下に靴やサンダルを置いて、会議などには履き替えます。

首都ホニアラの街を歩いていると50%が裸足です。雨が多く、道路はドロドロなので、すぐに足の洗えるゴムぞうりは理にかなっています。

保健省は医療サービス局の局長等、主要な局の局長のみが医師です(保健大臣のポストも議員ポスト)。保健省全体でも5名ほど。その他の職員は、看護師、准看、公衆衛生学士等。ソロモンには医科大学がありませんから、パプアやオーストラリアで医師免許を取る必要があります。取得後、なかなかソロモンに戻ってこないので医師数が足りていません。また、ソロモンには透析機械、CT, MRI等もありません。パプアに行きます。

さて、ソロモンの食生活の話、バナナの起源はマレー半島、その後パプアあたりで栽培が始まったとあります。パプアに近いソロモンもバナナの種類の多さには目を見張るものがあります。ありとあらゆるバナナがあると言っても過言ではないでしょう。生食用、料理用等いろいろな種類をマーケットで見ることが出来、サツマイモ、山芋、キャッサバ等と併せて主食の一つです。

学校は給食がありません。そこで子供たちの学校のお弁当を見せてもらいました。サツマイモ、バナナと葉菜の煮物を持っている子供たちがほとんどです。ソロモンのここ15年間の死因を調べてみると、以前はマラリア等の感染症だったのが、10位以内はすべて心臓、肺、糖尿等の生活習慣病といわれる成人病になっています。これは食生活の変化が大きな原因で、特に大きな原因を作っているのが、コメの消費増です。毎日イモやバナナを食べていた人たちが今、オーストラリアから輸入された安いコメを山のように食べています。17キロ入りの大袋が約2000円です。

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