恵みの水、山のある島
岩田 章一
サモア独立国(企画調査員)
前回は夕立と虹を投稿しましたが、今回は少し関連してサモアの水について紹介します。
同じポリネシアでもトンガは首都のある島などは山と川が無いので、雨水は貴重な水資源となっています。雨が降ると屋根から雨樋伝いで庭にある貯水タンクに貯めて、それを毎日の生活水として利用しています。雨水は生きていくうえで大切な天からの恵みとなります(タンクの中は怖くて見れませんが・・・)。
2022 年1 月に発生したトンガ沖海底火山爆発の影響で、屋根に積もった火山灰はトンガ人の生活水に大きな影響を与え、日本や各国から生活水の支援が行われたことは皆さんも記憶にあるかと思います。トンガでサイクロンの被害にも遭った時は、3 週間も断水生活を経験し、電気より水が生きていく上で本当に大切だと痛感したこともあり、島国での生活は特に水は大切だと実感しました。(いきなり)余談になりますが、トンガの雨水から作られるローカルビールは美味しいです!
ここサモアはトンガ、キリバス、マーシャルのような平坦な島でなく、1000m を超える山や川が沢山あり、湖と言うのか池と言う水がめが点在した地形の火山島です。島には熱帯林の原生林や溶岩原もあり、緑豊かな島となっています。この毎日暑い気候のなかで、日中暖められた空気が、山肌と豊富な森林に沿って上昇し、その湿った空気が雨雲を作り、大雨をもたらすという自然のサイクルが恵みの雨をもたらし、山の無い島に比べて豊富な水を提供してくれています。大雨の後はたまに水道水が濁っているなって思う時もありますが、渇水の心配はほぼありません。
そんな豊かな水源のあるサモアは、表流水が65%、地下水が35%の割合で生活水として活用され、約85%(約17万人)に水道のサービスが届いています。80 年代から住んでる日本人に聞くと、「当時の水道は、サービス提供地域も少なく、断水や濁った水が多かったが、最近は日本やEU の支援もあり水道公社のサービスも向上し、蛇口をひねると24 時間水がでるようになったこことと、併せて水質も良くなった」と言っていました。
サモア赴任後にペットボトルの水を使うこともなく、水道水からすべての生活を賄えている私。さらに、水道代も安いサモア。山や木は人間の生活に重要な役割を果たしているっと改めて思え、自然の役割とそこから恵まれている水をいただきながら、いい時代に勤務しているのだなって感じています。(反面、電気代は非常に高いです!)
サモアには淡水の池などが沢山あり憩いの場になっています。サモア美しい島です! Visit Samoa!