ルワンダの発展と収入
岩田 章一
専門家(ルワンダ共和国)
ルワンダに住んで2年、その肌感覚として、ルワンダの発展の中にある格差について、簡単にお知らせします。
ルワンダは、2000年以降Knowledge Based Economyという方針を掲げ、ICT立国としてアフリカのリーディングICTハブ国になるよう、ICT関連のインフラ整備、イノベーティブなICT産業育成、スマートシティの促進など、色んな政策を作り、カガメ大統領の強いリーダーシップのもと着実に発展しています。前回のレポートでも高層ビルや国際会議場、キャッシュレス社会に移る様子をお伝えしました。これまで訪れたアフリカの首都は、沢山の高層ビルが建ち並んでいて、空港から首都までの道は綺麗に整備されているのではと思います。マラウィには高層ビルはないかも知れませんが(1996年の情報です)、どのアフリカも同じような状況ではないかと思います。
さて、そんな発展中のルワンダで、特にホワイトカラーと言われている人は。思ったより高額のサラリーをもらっている人が多いです。特に国際機関で働くような博士・修士保持者や、プログラミングなどの技術を持っている人、役所の管理職などはルワンダでも高給取りとなっています。さて、そんな発展中のルワンダで、特にホワイトカラーと言われている人は。思ったより高額のサラリーをもらっている人が多いです。特に国際機関で働くような博士・修士保持者や、プログラミングなどの技術を持っている人、役所の管理職などはルワンダでも高給取りとなっています。
実際のサラリー額は確認しきれてませんが、プロジェクトでスタッフ雇用やローカルコンサルタント契約をする時に、希望するサラリーや報酬を確認すると、例えば最低3000ドルと主張する人やこちらのオファーする金額では受けないという人が多くて、予想外の苦戦をしています。これには、外国の機関だから高めに主張してネゴしようと考えてるところもあると思いますが、実際いい人材を雇用するにはそれなりのコストも必要なので思うようにいきません。また、オフショアビジネスを計画している会社から相談を受けたところ、プログラマーが1日500ドル以上でないと契約しないと言ってるがこれは相場ですか?とか。自分が努力して得た技術・経験を報酬に置き換えるのは当然の権利ですが、極端に高すぎるのはどうだろうって思います。
もう一つルワンダのユニークな制度として、役所の役職に政府から指名されると基本は断われないようです。しかもこの指名は、突然ラジオで発表され本人も知らないうちに、次官や局長といったポストに抜擢されることがあります。このような指名があると、高額サラリーのほか免税で車を買える特権があります。ルワンダの省庁の多くは公用車が基本的に配置されず、自家用車を利用することになっています。役所にとっては公用車維持費用や運転手の人件費がカットでき、指名された人は免税で自家用車購入、ガソリン代の補填など政府に対する忠誠心が上がり、お互いにとってWIN&WINになるような制度があります。
ホワイトカラーと比較して、技術を持たない人、貧しい地域の人の収入は、やはり低く、格差が広がっていると感じます。2020年6月には英国連邦首脳会議会議をホストするルワンダ(2009年加盟と一番新たらしいメンバー)。会議開催に合わせて、町中に花を咲かせた状況にするよう写真のような日雇い労働者が道路の中央分離帯やラウンダーバードや公園など突貫工事の真っ最中です。この原稿を書いている3月末にはすでに花が咲いているところもあり、開花スケジュールを見誤ったのかってオチもありますが、会議開催には予算がちゃんとついてるんだなって関心しています。と言っても、日雇労働者の給料は1日300円程度なので、そんなコストは掛かっていないと思います。おもてなし精神というか、見える所を良く見せようとするところは万国共通です。
このように首都と地方での得られる機会の差、育った環境による運命というのもあるかも知れませんが、順調に発展し全体の収入は上がっていると思いますが、技術・技能を持つ人と持たない人では格差は広がっているような感覚を持ってしまいます。ジェノサイド後、30歳以下が圧倒的に多い人口約1200万人のルワンダの将来が少し心配になります。