パキスタンの世界遺産
村上 いづみ
専門家(パキスタン予防接種プロジェクト)
休日に世界遺産のタキシラ(Taxila)に行ってきました。まずは博物館で概要を勉強して、都市遺跡へ。
タキシーラは首都イスラマバードの西、車で一時間ほどの所にある世界遺産で、紀元前6世紀のガンダーラ時代(あの歌が頭の中をグルグル)から紀元後6世紀にかけ交易都市として繁栄しました。
ガンダーラとは、現在のアフガニスタンからパキスタンにかけて存在していた古代国家で、タキシーラはガンダーラ最大の国際都市、東西文明の十字路でした。紀元前4世紀のアレキサンダー大王の東征時には、タキシーラではすでに都市国家が形成され、各地を結ぶ交易路の交差地点だったので、ヒンドゥー教や仏教の重要な場所であり、政治・経済においても重要な都市でした。ペルシャ、ギリシャ、クシャーン等の文化の異なる都市遺跡が残っています。遺跡にはキリスト教の12使徒トマスが宣教に来て改宗者に洗礼を授けた井戸の後も残っています(!)
ダルマラージカー(Dharmaraja)は、パキスタンにおける最古の仏教遺跡の1つです。建設は、仏教に帰依していたアショカ王の時代に遡のぼります(ちなみにアショカ王はネパールの仏陀の生誕地ルンビニにも石塔を立てています)。仏陀の聖遺物を収集して高さ15m・直径50mのメイン・ストゥーパを建てました。周囲には、小ストゥーパ、祠堂や僧院を見ることができます。写真は現存するメインストゥ―パです。静かなとても良い世界遺産でした。