ウルグアイの魅力

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ウルグアイ

企画調査員(ボランティア事業) 

友清広平

 

皆さんはウルグアイのことをどれだけ知っていますか?

一昔前だと多国間通商交渉「ウルグアイ・ラウンド」、数年前だとセレッソ大阪にいたフォルラン選手やW杯で相手選手に噛み付いたスアレス選手、最近では「世界で一番貧しい(質素)ムヒカ(前)大統領」のイメージがあるかもしれません。

 日本から一番遠く、人口も350万人と小さいため、JICA関係者でも意外とどんな国か知る人は少ないウルグアイ。一般的にガウチョ(カウボーイ)の文化が浸透しており、国民性は自由気ままで温厚、のんびりとしています。山がなく、見渡す限り広大な草原地帯とラ・プラタ川や大西洋岸沿いのビーチという大自然に恵まれた地理的条件もあり、人々は自然を愛し、昔ながらの伝統的な風習や生活習慣を重んじて無理なく生活しています。何よりも家族や友人との交際を優先し、天気の好い日は、ランブラと言われるラ・プラタ川沿いの遊歩道ゾーンでピクニックや日光浴したり、サッカーしたり、マテ茶を回し飲みながら、朝から晩までおしゃべりに興じます。また、休日や仕事終わりに仲間とアサード(ウルグアイ式BBQ)をすることが何よりも楽しみであるなど、質素ですが人生を謳歌しています。

一方で「ブラジルとアルゼンチンがクシャミをするとウルグアイが風邪をひく」という諺があるほど、近隣国の外的要因に影響される南米一の小国(面積は四国程度、人口は約350万人)で、1999年以降のブラジル、アルゼンチンの経済危機ではその余波で大打撃を受けました。その経験から、金融機関や石油企業の国営化や国内産業を保護するために、高額な関税を課す政策を促進させ、他国に左右されにくい「自己完結主義国家」を目指したことで、安定した経済成長に成功しています。結果、GNI(国民総所得)は15, 000ドルを超え、ODA卒業移行国になるなど、着実に中進国から先進国への仲間入りを進めています。


そこで、この国ならではの一風変わった魅力をいくつかご紹介したいと思います。

まず、日本では想像しにくいと思いますが、有給休暇は10日以上継続して取得する必要があります。毎年12月から2月にかけての年末年始休暇、カーニバル休暇に加えて、学校の夏休みも重なるため、国民総休暇シーズンに突入します。結果、公共機関が麻痺し、担当者が不在になることは容易に想像できますが、問題になりません。学校も長期休暇中に宿題はなく、3連休であってもクラブ活動や学校行事も自粛、家族での時間を優先させる配慮があります。また、金曜日の天気予報が雨であれば、翌日のクラブ活動は中止となります。公立学校の給食費は国民全員が納税するというシステムもあります。

飛行機の着陸成功時、映画のエンディング、はたまた、救急車が患者を搬送する際には、どこからともなく自然と拍手が沸き起こり、このナチュラルな連帯感には羨ましささえ感じます。

他方、厳格なルールやシステムも存在します。例えば、バスやタクシー強盗が発生すると交通機関の組合がすぐさま犯罪に抗議するストライキを行ないます。口蹄疫やデング熱の症例が確認されれば、対策班が即刻発動します。交通事故防止策として、首都の70%以上の交差点にカメラや速度計測器が設置され、信号無視や速度違反者に高額な罰則金を課します。在留邦人や外交官であっても、容赦なく取り締まっています。

更に国民の選挙への参画は義務。投票しないと大学や公務員試験、運転免許証等の手続きの過程で支障をきたします。公務員による汚職も少なく、クリーン度はラ米諸国の中でトップクラスです。

また、紙幣の印刷や流通、移動にかかる警備費用等の維持コストを抑えるためにクレジットカードの推奨が加速化しており、カードの利用による割引も行なわれています。驚くことにこの11月からは、世界初となる「法定デジタル通貨」の試験運用をスタートし、急速にキャッシュレス化が進んでいます。

このようにウルグアイならではの独特な「ツボ」を抑えていないと、中南米生活に慣れている方でもカルチャーショックを受けること必至です。私も着任時にはウルグアイの洗礼を浴びましたが、住めば都、時間と共に愛着を持つようになり、生活にゆとりを感じています。

前述した「ウルグアイの魅力」はその一部ですが、ウルグアイには、我々日本人が見習うべき点がたくさんあります。知っているようで知られていない南米の小国ウルグアイ、その魅力の大きさは規格外です!

至る所で老若男女のサッカーの試合が開催されます。

ウルグアイ人にアサードは欠かせません。

ラ・プラタ川沿いの「ランブラ」は市民の憩いの場となっている。

各自がこだわりのマテ茶セットを持っています。

首都から30分車を走らせると、そこは広大な草原地帯。

交差点では交通用監視カメラにドライバーはドキドキします。