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ルワンダの若いリーダーたちの特徴 2020年7月

岩田章一 技術協力プロジェクト専門家(ルワンダ共和国)

前回の報告でサッカーのプレミアムリーグへのスポンサー支援を行ったルワンダについてお知らせしましたが、今回はルワンダの若いリーダーたちの特徴をレポートします。

ルワンダのカガメ大統領は、1957年生まれの現在62歳。2000年から大統領として強いリーダーシップを発揮し、ルワンダを「アフリカの奇跡」といわれるほどに発展させました。そんなこともあり、2017年の大統領選挙では約99%の信任で3選を果たすなど、圧倒的な指示を得て20年目の政権を担っています。そして、人気と実力もあることから再選後に憲法改正を行い、2035年まで大統領の地位にいれるようになりました。ロシアのプーチンも同じように憲法改正をして長期政権の座に就きそうですが、リーダーがコロコロ変わり政策も同時に変わるよりは、途上国では優秀な人が長期政権を担ったほうがいいのではと個人的には思っています。さて今回は大統領ではなく、大統領が指名する各大臣級を紹介したいと思います。

ルワンダの閣僚は大統領のもと、首相をトップに21人の大臣と12人の特命の国務大臣がいます。1200万人の国にしたら多いような気もしますが、青年省、ICTイノベーション省、スポーツ省、ジェンダー省、社会問題担当、職業訓練・技術教育担当など日本にない省や担当があるのも特徴ですが、任命される大臣が若いのと、失政をするとすぐに更迭されるところが大きな特徴です。また、笑い話しですが、政府の主要ポストへの指名は、事前に相談されることなく、本人も知らないまま突然ラジオで発表されます。ルワンダの習慣から、大統領に指名されると謹んで指名を受け国のために全てを捧げるようで、断る事はほぼ出来ないようです。あるCPも朝起きたら、「あんた局長に指名なったと放送されてたよ!」と家族から言われ、出世を知ったそうです(私的にはこれが一番の驚きです)。

現在、プロジェクトのカウンターパートであるICTイノベーション省のパウラ・インガビリ大臣は2018年に35歳で就任。大臣前はマサチューセッツ工科大学の留学から戻り、ルワンダ開発庁のビジネス開発局長を2か月ちょっと経験した後に大臣に昇格となりました。この時は、同じICTイノベーション省のイレレ局長(33歳、プロジェクトのCPの実務ヘッド、2020年3月から教育省の職業訓練・技術教育国務大臣)もいきなり事務次官に昇格するなど、多くの大臣・幹部の若返りが行われました。

その新人事の特徴ですが、インガビリ大臣はケニア生まれ、アメリカでマスター課程を取得。同じく新任の外務・国際協力大臣はブルンジ生まれの54歳。ヨーロッパ・アメリカでの留学経験者。42歳の貿易・産業大臣も生まれも学歴もヨーロッパと、若い世代のリーダーは国外留学経験者や外国生まれの人が多くなっています。つまりジェノサイドの時に国に居なかった人達が多く、生粋のルワンダ生まれ、ルワンダ育ち、ジェノサイド経験者という人はまれで(大統領もウガンダ育ち)、国際経験と高学歴、言語は3~4か国語 が話せるという人が多く、カガメ大統領の新しいリーダーや大臣に求める要素は、年齢や性別でなく、経験や学歴による期待値が大きい気がします。日本ではなかなか出来ないかも知れませんが、武漢ウィルスによるパンデミック時に優秀さを発揮した台湾のICT大臣など、国に勢いのあるところは、優秀人材の積極登用が可能なようで、これらが国の命運を担うような気がします。それに比べ我が祖国日本の大臣達は・・・。

ルワンダは今のところ、海外で高等教育を受けた人が多く登用されていますが、10年後ぐらいにはルワンダ生まれ、ルワンダ育ちのリーダーも多くなっているのかと期待してしまいます。

補足:ルワンダの公用語は、ルワンダ語のほかフランス語と英語(2008年にフランス語から変更)、そして2017年に東アフリカ共同体(ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、南スーダン)の公用語であるスワヒリ語が追加され、4つの言葉が公用語になっています。

"Kigali, Rwanda" Photo by Michael Muli on Unsplash

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